夢の歌
  
はじまりの島(15)
しんあいなるティモシーへ


ひきがえるさんと会えなくなってしまいました。夢に行ってみたら、もう空の見張りが別の獣に替わっていたの。丸くてフカフカした茶色い動物が二本足で走ってきて、お城に行きましょうって言われたけど、私は返事もしませんでした。だって、その知らない獣がひきがえるさんのマントを着てたんだもの。


ひとりで走って王国の森の沼にひきがえるさんを探しに行きましたが、どれがそうか分かりませんでした。悲しくて、その日はそこで夢から覚めてしまいました。


ティモシーも私と一緒にひきがえるさんに会ってほしいので、少し過去に戻って待つことにしようと思ったのですが、いちど降りた時間にもう一回降りることはできませんでした。だからこっちに来たときには、ひきがえるさんのいる時代より先を探してください。私はそこより先にいます。


お父さんの切手と封筒をたくさん取ってきてしまって、ティモシーは怒られなかった? そのせいでもう切手を使わせてもらえなくて、返事が出せないんじゃないかと心配です。ムリしないでね。手紙が来なくても境い目の空で会えるから大丈夫です。


境い目の空の夢を見るコツは、空のうえの、そのまたうえのほうまで行きたいなあ、と思いながら寝ることです。ティモシーが早く境い目の空に呼ばれるように、いつも祈っています。



はじまりの島編■おわり